イラストレーターにおすすめのペンタブ10選!プロが選ぶ描きやすいモデルとは?

イラストレーターにおすすめのペンタブ10選!プロが選ぶ描きやすいモデルとは?

イラスト制作に欠かせないアイテムといえば、やはり「ペンタブレット(ペンタブ)」。

線のなめらかさや描き心地は、作品の完成度にも大きく関わってくるポイントです。

とはいえ、ペンタブは種類も価格帯もさまざま。「どれを選べばいいかわからない…」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、現役イラストレーターの視点から、用途別・レベル別におすすめのペンタブモデルをご紹介します。初心者向けからプロユースまで幅広く網羅しているので、これからペンタブを選ぶ方はぜひ参考にしてみてください!

神谷 麻央/イラストレーター
神谷 麻央/イラストレーター

この記事を書いた人

イラストレーター歴15年以上。出版社や広告代理店との実績多数で、キャラクターデザインから装画、企業向けビジュアルまで幅広く手がける。デジタルとアナログを融合させた表現に定評があり、柔らかくも印象に残る作風が特徴。現在はフリーランスで活動をしつつ、若手クリエイターの育成にも力を入れている。

ペンタブレット(ペンタブ)の選び方

ペンタブレット(ペンタブ)を選ぶ際は、いくつかのポイントを確認しましょう。

読取範囲(作業エリア)

まず読取範囲(作業エリア)は、普段使っているモニターサイズや作業スペースに合わせて選びます。広いほど腕の動きに余裕が生まれますが、置き場所や持ち運びのしやすさも考慮します。

筆圧レベル

次に筆圧レベル。筆圧が高いほど線の強弱を細かく表現でき、2048レベル・4096レベルよりも8192レベル以上が主流になっています。さらに傾き検知機能があるとペンを傾けたときのニュアンスを再現でき、ブラシワークの幅が広がります。

接続方法、対応OS

接続方法も重要です。ケーブル接続のほかにBluetoothや専用レシーバーによる無線接続に対応したモデルは、配線を減らしてデスク周りをすっきり保てます。対応OS(Windows、macOS、Androidなど)や付属ソフト、ショートカットキーの数なども確認しましょう。

替え芯やペンスタンドなどのアクセサリーの入手性やランニングコストもチェックポイントです。

板タブレットと液晶タブレットの違いを比較!

板タブレットと液晶タブレットの違いを比較!

「ペンタブ」と一口に言っても、大きく分けて「板タブレット(板タブ)」「液晶タブレット(液タブ)」の2種類があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、作業スタイルや予算、好みによって向いている機種が異なります。

ここでは、はじめて選ぶ方にもわかりやすいように、板タブと液タブの特徴を比較表でまとめました。

比較項目板タブレット液晶タブレット
描くスタイルモニターを見ながら手元で描く画面に直接描く
視線の移動手元と画面を行き来する必要あり視線の移動が少なく、直感的
価格帯安価(1万円前後〜)高価(3万円〜10万円以上も)
サイズ・軽さ軽くてコンパクトやや大きく重め
持ち運びやすさ◎ 軽量で収納もしやすい△ 外出先ではややかさばる
描き心地慣れが必要(ずれる感覚がある)実際の紙に近く、自然な描き心地
対応ソフト多くのソフトで使用可能板タブ同様、主要ソフトに対応
初心者の扱いやすさ○ 安価だが慣れが必要◎ 描きやすく初心者でも使いやすい
メリット安価・軽量・省スペース直感的で精密な描写がしやすい
デメリット視線のズレ・慣れが必要高価格・熱を持つ・重いことがある

おすすめ板タブレット

板タブレット(板タブ)は、画面を見ながら手元で描くスタイルのペンタブレットです。

軽量かつリーズナブルなモデルが多く、持ち運びやすさや省スペースを重視する方にぴったり。ここでは、初心者から中級者まで扱いやすい、おすすめの板タブレットを厳選してご紹介します。

Wacom Intuos Pro Medium(PTH‑660)

Wacom Intuos Pro Medium(PTH‑660)

イラストレーターから支持があるWacomによる、プロユースに応える板タブレットの定番です。338×219×8 mmというスリムな筐体に224×148 mmの広い作業エリアを備え、8192段階の筆圧レベルと±60°の傾き検知に対応する「Wacom Pro Pen 2」が付属します。

マルチタッチや8個のExpressKeys、タッチホイールなども搭載しており、ジェスチャーやショートカットで作業効率を高められます。USBケーブルに加えBluetooth接続も可能で、ケーブルレスで利用できる点も魅力です。高精細な5080 lpiの解像度と遅延の少ない描き心地でプロの制作現場でも活躍する1台です。

項目仕様
サイズ/重量338×219×8 mm、約700 g
読取範囲224×148 mm
筆圧レベル8192段階(ペン先と消しゴム)
傾き検知±60°対応
解像度5080 lpi
接続方法USB、Bluetooth
主な機能マルチタッチ、8個のExpressKeys、タッチホイール、ペンスタンド付き

Wacom Intuos(Small/Medium)

Wacom Intuos(Small/Medium)

イラストレーターから支持があるWacomによる、エントリーモデルとして人気の高いシリーズです。

小型モデル(Small)は152×95 mm、中型モデル(Medium)は216×135 mmの作業エリアを確保し、筆圧は4096レベルに対応する「Wacom Pen 4K」を採用しています。読み取り解像度は2540 lpi、ペンの読み取り速度は133 ppsで、軽快な描き心地を実現しています。Bluetoothモデルならコードレスで利用でき、重量も250 g前後と軽いので持ち運びにも便利。

無料ダウンロードできるイラストソフトが付属し、初めてのデジタル制作におすすめです。

項目仕様
サイズ/重量Small:152×95 mmの作業エリア、約250 g(Bluetoothモデル)/Medium:216×135 mmの作業エリア、約410 g
筆圧レベル4096段階
傾き検知非対応(傾き感知なし)
解像度2540 lpi
読み取り速度133 pps
接続方法USB、Bluetoothモデルあり
主な付属品替え芯3本、1.5 m USBケーブル、無料イラストソフトのダウンロード特典

Xencelabs Pen Tablet Medium Bundle

Xencelabs Pen Tablet Medium Bundle

Xencelabs(センスラブ)はプロクリエイター向けの新興ブランド。

Mediumモデルは320.5×232.5×8 mmのコンパクトな筐体に、16:9比率の262.4×147.4 mmという広い作業エリアを備えています。付属のペンは厚みの異なる2種類から選べ、いずれも8192レベルの筆圧と60°の傾き検知に対応。3つのショートカットキーやLEDインジケーターを搭載し、専用レシーバーまたはUSB‑Cケーブルによる無線・有線接続が可能です。

約16時間駆動のバッテリーを内蔵し、表面は紙のようなざらつきを持つ加工が施されているため、滑りすぎない描き心地が得られます。

項目仕様
サイズ/重量320.5×232.5×8 mm、約710.5 g
読取範囲262.4×147.4 mm(16:9)
筆圧レベル8192段階
傾き検知±60°対応
接続方法USB‑C、有線/ワイヤレス(専用レシーバー)
バッテリー約16時間駆動
主な特徴3個のショートカットキー、2本のペン(太さ違い)、紙のような描き味

XP‑Pen Deco Pro MW(Gen 2)

XP‑Pen Deco Pro MW(Gen 2)

XP‑PenのDeco Pro MW Gen 2は、高い筆圧分解能16,384レベルに対応する「X3 Pro」スタイラスを採用したワイヤレス対応の板タブレットです。

作業エリアは228.6×152.4 mmと十分な広さがあり、60°の傾き検知に対応します。本体には3030 mAhのバッテリーを内蔵し、Bluetooth 5.0による無線接続で約10時間以上使用できます。USB接続でも利用でき、AndroidやChrome OSなど幅広いOSに対応。薄型の筐体にタッチホイールやショートカットキーを搭載し、コストパフォーマンスに優れたモデルです。

項目仕様
サイズ/重量約350×200×7 mm、重さ約700 g(パッケージ含まず)
読取範囲228.6×152.4 mm
筆圧レベル16,384段階
傾き検知±60°対応
バッテリー3030 mAh、連続使用10時間以上
接続方法USB、Bluetooth 5.0(有線/無線対応)
対応OSWindows 7以降、macOS 10.10以降、Android 6.0以降、Chrome OS 88以降、Linux(有線)

Huion HS610

Huion HS610

コストパフォーマンスを重視するならHuion HS610も候補です。350×211.8×8 mmの筐体に254×158.8 mmの作業エリアを確保し、8192段階の筆圧レベルと±60°の傾き検知、5080 lpiの解像度を備えています。バッテリー不要のペン「PW100」を採用し、12個の物理キーと16個のソフトキー、タッチリングを搭載。Androidデバイスとの接続に対応し、モバイルでも利用できます。デスクトップだけでなくノートPCやスマホでもお絵描きを楽しみたい方におすすめのモデルです。

項目仕様
サイズ/重量350×211.8×8 mm、約600 g
読取範囲254×158.8 mm
筆圧レベル8192段階
傾き検知±60°対応
解像度/読み取り速度5080 lpi、>220 pps
接続方法micro USB(Android 6.0以上、Windows 7以上、macOS 10.12以上に対応)
主な機能12個のハードキー、16個のソフトキー、タッチリング、バッテリーフリーペン

おすすめ液晶ペンタブレット

液晶タブレット(液タブ)は、直接画面に描き込める直感的な操作性が魅力。

イラストやマンガ制作を本格的に行いたい方には、作業効率を高めてくれる頼もしい相棒になります。ここでは、画面の描きやすさ・発色・筆圧感知などの性能面をふまえた、おすすめの液タブをご紹介します。

Wacom Movink 13 – 軽量・薄型の有機ELモデル

Wacom Movink 13 – 軽量・薄型の有機ELモデル

「Wacom Movink 13」はワコム初の有機ELペンタブレットで、モバイル制作を重視するプロや学生に人気です。少し値ははりますが、圧倒的な美しさが特徴です。

重さ約420g、最薄部4mmと非常に軽く薄いボディながら、13.3型フルHDのSamsung製OLEDディスプレイを採用。最大表示色10億7,374万色と100,000:1の高コントラスト、広色域でDCI‑P3 100%、Adobe RGB 95%をカバーし、PantoneおよびPantone SkinToneの認証も取得しています。

有機ELならではの深い黒と鮮やかな色彩で、外出先でもスタジオと同等の画質を得られるのが魅力です。

主な仕様数値・内容
ディスプレイ13.3インチ 有機EL / フルHD(1920×1080)
色域DCI‑P3 100%、Adobe RGB 95%(Pantone認証)
コントラスト比100,000:1
重量 / 厚さ約420g / 最薄部4mm
付属ペンWacom Pro Pen 3(筆圧検知・傾き検知対応)
特徴超軽量・薄型、豊かな色再現、有機ELの高コントラスト

Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch – 初心者向けのコンパクトモデル

Wacom One 液晶ペンタブレット 13 touch – 初心者向けのコンパクトモデル

はじめて液晶ペンタブレットに挑戦したい人には、13.3インチサイズで扱いやすい「Wacom One 13 touch」がおすすめです。

フルHD(1920×1080)のIPS液晶にアンチグレア加工が施されており、斜めからでもコントラストが変わりにくく、映り込みを抑えた画面で快適に作業できます。

WindowsやMac、Chrome OSに対応し、ペンタブはパソコンとケーブル1本で簡単に接続可能。筆圧レベルは4096段階と紙のような描き心地で、エントリーモデルながら自然な描画体験を提供します。

主な仕様数値・内容
ディスプレイ13.3インチ IPS液晶 / フルHD(1920×1080)
表面処理アンチグレア仕様
ペン性能筆圧4096段階、2ボタン付きペン
接続USB‑C / HDMI接続、各OS対応
特徴エントリーモデル、扱いやすいサイズ、コストパフォーマンスに優れる

Wacom Cintiq 16(2025年モデル) – 2.5K解像度と快適な描き味

Wacom Cintiq 16(2025年モデル) – 2.5K解像度と快適な描き味

2025年に刷新された「Wacom Cintiq 16」は、ペンのみタイプの16インチモデルです。

WQXGA(2560×1600)の2.5K解像度を採用し、16:10の作業エリアが広く感じられます。明るさは最大290nit、コントラスト比は1400:1と旧モデルより向上し、8bitカラーと60Hzリフレッシュレートに対応しています。

アンチグレアのエッチングガラスとダイレクトボンディングによりペン先とカーソルの視差が小さく、描き味は紙のように滑らか。付属のPro Pen 3は60°までの傾き検知とカスタマイズ可能なサイドスイッチを備えています。

主な仕様数値・内容
ディスプレイ16インチ 2.5K WQXGA(2560×1600)
明るさ / コントラスト最大290 nit、1400:1
色深度 / リフレッシュレート8bitカラー、60 Hz
ペンPro Pen 3(筆圧感度向上・60°傾き検知)
特徴ダイレクトボンディング、アンチグレアガラス、折りたたみスタンド付き

Wacom Cintiq Pro 27 – 4Kと広色域を備えたフラグシップモデル

Wacom Cintiq Pro 27 – 4Kと広色域を備えたフラグシップモデル

プロフェッショナルな制作現場で人気の「Wacom Cintiq Pro 27」は、26.9インチの4Kディスプレイを搭載したフラグシップモデルです。

10億7,374万色もの豊富な表示色に対応し、DCI‑P3 カバー率98%、Adobe RGBカバー率99%という広色域を実現。リフレッシュレートは120 Hzに対応し、滑らかな描き心地を提供します。PantoneおよびPantone SkinTone認証を取得しており、HDRガンマにも対応しています。

付属するPro Pen 3は36通りものカスタマイズが可能で、グリップ型ExpressKeyやオンスクリーンショートカットなど効率化機能も充実しています。

主な仕様数値・内容
ディスプレイ26.9インチ 4K(3840×2160)
表示色約10億7,374万色
色域Adobe RGB 99%、DCI‑P3 98%
リフレッシュレート120 Hz
ペンPro Pen 3(36通りのカスタマイズ可能)
特徴Pantone認証、HDRガンマ対応、ExpressKey搭載

XP‑Pen Artist Pro 19 (Gen 2) – 4K解像度と広色域に対応したハイパフォーマンスモデル

XP‑Pen Artist Pro 19 (Gen 2) – 4K解像度と広色域に対応したハイパフォーマンスモデル

XP‑Penの最新世代モデル「Artist Pro 19 (Gen 2)」は、19インチの4Kディスプレイを搭載した高機能液タブです。

sRGB・Adobe RGB・Display P3の3つの色域に対応し、専用スタンドは折りたたみ式で角度調整が可能。ペンは16,384段階もの高い筆圧レベルを持ち、繊細な表現を可能にします。

ブルーライトを低減する設計により長時間の作業でも目への負担が少なく、多彩な色域対応と4Kの高精細さから印刷物やデジタル配信など幅広い用途で活用できます。

主な仕様数値・内容
ディスプレイ19インチ 4K(3840×2160)
色域sRGB / Adobe RGB / Display P3対応
ペン性能筆圧16,384段階
スタンド折りたたみ式、角度調整可能
特徴ブルーライト低減設計、広色域対応、高筆圧感度

まとめ

ペンタブレットを選ぶ際は、画面サイズと解像度、描き味、色域や携帯性などを総合的に判断することが重要です。

軽さと色再現性を重視するなら有機EL採用の「Wacom Movink 13」、初心者には「Wacom One 13 touch」、高解像度と描き味をバランス良く求めるなら「Cintiq 16」が魅力的です。さらにプロ向けの制作環境には「Cintiq Pro 27」や「Xencelabs Pen Display 24」のような大型4Kモデルが適しており、XP‑Penの「Artist Pro 19 (Gen 2)」は高筆圧と広色域を兼ね備えたコストパフォーマンスの高い選択肢です。自分の制作スタイルや予算に合わせて最適な一台を選んでください。

おすすめ関連記事はこちら

イラストレーターにおすすめ記事はこちらです。あわせて参考にしてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA